肺がん根治目指す 初の免疫チェックポイント阻害剤が登場

写真はイメージ

「先月末、カナダ・トロントで開かれた世界肺がん会議では『死亡リスクが32%減少』『無増悪期間と遠隔転移までの期間の延長』などさらに詳しいPACIFICの内容が発表されました。また同じ抗PD―L1抗体薬のテセントリクは、従来の抗がん剤との併用で未治療の小細胞(悪性度が高い)肺がんに対して好成績が出たことも報告されました。それらはすぐに世界的権威のある医学雑誌の電子版で紹介されるなど医療関係者の関心を呼んでいます」

■Ⅲ期の非小細胞肺がんを対象

 免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA―4抗体の「ヤーボイ」を皮切りに、抗PD―1抗体の「オプジーボ」と「キイトルーダ」が発売され、今年4月からは抗PD―L1抗体の「テセントリク」が加わった。ヤーボイを除く3剤はⅣ期の非小細胞肺がんも対象にしているが、イミフィンジは同じ非小細胞がんでも少し違う。国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授が言う。

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