ノーべル賞 受賞者と研究のその後

次の医学賞候補が開発 15人中7人のがんが消えた光免疫療法

がん治療で世界へ(C)日刊ゲンダイ

 今年のノーベル生理学・医学賞が、京大の本庶佑特別教授(76)に決まったことで、早くも次の医学賞レースに注目が集まっている。そのトップランナーと目されているのが、米国在住の日本人という。はたしてどんな治療法を研究しているのか――。

 その研究が一気にクローズアップされたのは、今から6年前、米国のオバマ前大統領の一般教書演説だった。

 オバマは、健康な細胞に触れずにがん細胞だけを殺す画期的な治療法を「米国の偉大な研究成果」と世界に猛アピール。それが「がんの光免疫療法」で、その開発者こそ、米国立がん研究所の主任研究員、小林久隆医師だ。

 この治療法、もうすぐ臨床現場で使われるようになる。2015年にスタートした米国の後を追うように日本でも今年3月、国立がん研究センター東病院で臨床試験が始まっている。日米ともに他の治療法ではうまくいかなかった再発頭頚部がんの患者が対象だ。

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