ノーべル賞 受賞者と研究のその後

次の医学賞候補が開発 15人中7人のがんが消えた光免疫療法

がん治療で世界へ(C)日刊ゲンダイ

 先行して行われた米国のケースは、一部データが公表されている。それがとにかくすごい。対象15人のうち14人は、腫瘍の大きさが30%以上縮小し、7人は腫瘍が完全に消えたのだ。繰り返しになるが、対象患者は他の治療法が効かずに再発した人ばかりである。

 この治療のベースとなったマウスでの研究結果は2011年に米科学誌「ネイチャー・メディシン」で発表された。がんを患ったマウスは、8割が完治したばかりか、副作用ゼロ。驚愕の成果を受けて、NIH(国立衛生研究所)がホワイトハウスに報告したことで、発表からわずか3カ月で一般教書演説のテーマになる。

 小林医師の計画では、頭頚部がんの次は、肺がんや大腸がん、前立腺がん、乳がん、膵臓がんなどでの応用が検討されている。全身のがんの8~9割が光免疫療法でカバーされるという。

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