Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

輪島さんは手術で声失う…咽頭がんの早期発見は胃カメラで

元横綱の輪島大士さん(C)共同通信社

 たとえば、たばこを吸う男性は、吸わない人に比べて咽頭がんの罹患リスクが2.4倍。1日の喫煙箱数と年数をかけて算出する累積喫煙指数が60以上だと、4.3倍です。部位別では、下咽頭への影響が強く、喫煙グループで13倍、累積喫煙指数60以上で21倍と報告されています。

 飲酒については、週1回以上飲む人は、飲まない人に比べて咽頭がんの罹患リスクが1.8倍。アルコール換算で週に300グラム、1日平均日本酒4合以上だと、3.2倍です。適量飲酒のリスクはそれほどでなくても、常用するリスクは高い。飲酒も下咽頭への影響が強く、週1回の飲酒で3.3倍、週300グラム以上のアルコール摂取で10倍超にアップします。

 下咽頭がんになると、25~30%の確率で食道がんも発生。これは転移ではなく、別のがんです。どちらも飲酒と喫煙の影響を受けやすいがんであることがその要因と考えられます。特に危ないのは、もともとお酒が弱かったのに、飲むにつれて飲めるようになった人。赤ら顔になりやすいタイプに重複しやすいことが分かってきたのです。

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中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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