生活と健康 数字は語る

収益に偏りがちになる製薬会社の立ち位置を考慮すべし

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかし、どうしてもメーカーは治療効果や副作用よりも収益のほうに偏りがちになります。そこで問題になるのは私たちのほうです。医療者や患者は、企業がそういう背景で「130は血圧高めです」といっていることをよくわきまえて、こちらはこちらで冷静に、実際の治療効果や副作用やコストを考慮したうえで、どうするか決める必要があります。でも大体はメーカーの宣伝で不安になって、医者にかかったり、健康食品を買ってしまうんですよね。残念ながら。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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