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分子標的薬の登場が慢性骨髄性白血病の治療を劇的に変えた

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 骨髄移植は超大量の抗がん剤と全身放射線治療を行い、白血球数がゼロになり無菌室で他人の骨髄が定着するまでの約1カ月間、患者は我慢の日々を過ごします。それが成功しても、多くはGVHD(移植片対宿主病)で皮疹、下痢、肝機能障害などに悩まされました。

 しかし2001年、分子標的薬「イマチニブ」の登場が治療法を劇的に変えました。薬を内服するだけで骨髄移植以上の効果が得られたのです。今日まで、慢性期の場合、この薬での8年全生存は85%、しかも白血病関連死は少ないといわれています。また、この薬が効かなくなった場合でも他の薬剤があるのです。

 ただ、白血病が遺伝子レベルでも異常を認めない状態になっても、この高価な薬をいつまで飲めばいいのかが分かっていません。良い状態が続いていて治療を中止する試験が海外でも国内でも行われています。現状では、もし治療を中止する場合は担当医との十分な検討・相談が必要です。

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佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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