意外に知らないホルモンの実力

成長ホルモン補充療法は専門医による治療以外は危険

成長ホルモンのピークは思春期後期(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 ところが何らかの原因(先天的障害や脳腫瘍など)で思春期以前に成長ホルモンの分泌が不足すると、体が大きくならずに停止してしまう「成長ホルモン分泌不全性低身長症(小人症)」になる。逆に、思春期以前に分泌が過剰になると、体が異常に大きくなる「巨人症」になるという。

 では、思春期を過ぎてから成長ホルモンの分泌が過剰になったり、不足したりしたら、どのような変化が表れるのか。分泌過剰は、下垂体に腺腫(良性腫瘍)ができると起こるという。

「思春期以降は『先端巨大症』になります。骨が伸びることはないが、骨端部の骨形成が起こり、軟部組織の増殖・肥大も進む。そのため額や下顎が突出し、鼻や唇が大きくなる特有の顔になります。手や足の指も大きくなる。高血圧や糖尿病も伴いやすくなります」

 また、先端巨大症は、がんになりやすい特徴がある。成長ホルモンによって増えるIGF―Iは細胞の増殖を促すからだ。

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