注射は必要なし 経鼻インフルエンザ生ワクチンの基礎知識

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 通常のインフルエンザワクチンとフルミストの違いはそれだけじゃない。ウイルスが気道粘膜で増殖することにより、細胞性免疫も刺激される。

「細胞性免疫とは特定の病原体を攻撃する免疫細胞を作って攻撃する仕組みのことです。具体的には生ワクチンにより体内で特定の免疫細胞が増え、生ワクチンがターゲットにしている4種類のインフルエンザウイルスを攻撃するのです。不活化ワクチンは血液中に抗体を作るだけで、そうした機能はありません」

■英国、カナダ、米国で推奨

 ここまで聞くと、いいことずくめのように思えるフルミストだが、注意点もある。①国が認めたワクチンでないため、万一、事故が起こったときには医薬品副作用被害救済制度の対象とならず、自己責任になる②接種後、鼻水や咳など軽い風邪症状が起きることがある③輸入ワクチンなので、予防できるインフルエンザワクチンの型が、日本で作られる不活化ワクチンの型と一部種類が違っていること④費用が医療機関により違っていて、おおむね8000円以上と高額なこと――などだ。

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