役に立つオモシロ医学論文

定期的なウオーキングで肺炎死亡のリスクが低下する?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 中央値で11.9年にわたる追跡調査の結果、心筋梗塞や脳卒中を起こしたことがない人では、1日の歩行時間が30分の人と比べて、1時間の人で肺炎死亡が10%、統計学的にも有意に少ないことが示されました。また、心筋梗塞を過去に起こした人でも同様に、1日の歩行時間が30分の人と比較して、1時間の人で肺炎死亡が34%、統計学的にも有意に少ないという結果になっています。

 もちろん1時間以上運動できる人は、もともと健康的な人であるといえますし、この結果は必ずしも因果関係を示しているわけではありません。

 しかし、適度な身体活動量が健康に良い影響をもたらすという研究報告は多数存在しています。無理のない範囲で、楽しみながらウオーキングができるといいでしょう。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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