患者が語る 糖尿病と一生付き合う法

野菜補給目的の「追加」が実は…炭水化物増しの落とし穴

平山瑞穂氏(C)日刊ゲンダイ

「今日のサラダ」を200円で追加できると知って、野菜を補いたくて注文したのに、出てきたらポテトサラダでがっかりした、なんて経験もある。

 特に女性の間に浸透しているように見える「大豆=ヘルシー信仰」も気に掛かる。確かに大豆は健康食品なのだが、タンパク質を多く含んでいて、意外とカロリーが高いということを忘れてはならない。

 居酒屋などで同席した女性が、豆腐や湯葉を使った料理を頼んで、「野菜はこれでOK」と言わんばかりに安心しているのを見ると、「それは野菜とは違う」とたしなめたくなる。おせっかいなのは承知なので、実際には黙っているにしても。

 同じように、コンビニで前に並んでいるOLさんが、おにぎりの他に「ごろごろ野菜のナントカ」を買おうとしているのを見るたびに、僕はこんな言葉を喉元で押しとどめているのだ。

「その『ごろごろ野菜』って、カボチャやジャガイモなんじゃないの? それって炭水化物で、ご飯と一緒だから」

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平山瑞穂

平山瑞穂

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

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