米国の大腸がんが減った背景には、大腸内視鏡検査の普及も大きいでしょう。米国では、5年に1回くらいの頻度で大腸カメラを受けていて、早期発見・早期治療が進んでいます。大腸がんは、胃がんと同じく早期に治療できれば、ほとんど治りますから、この意識の違いは大きい。
ただし、大腸がんを見つける検査の基本のキは便潜血検査です。古くからある検査で、採便1回あたりの大腸がん発見率は45%程度とそれほど高くありませんが、2回分でチェックするため、それだと70%に上昇。2年目(のべ4回)も受けると91%に。3年目(のべ6回)もきちんと受けると、97%までアップします。
実は、私の近親者は48歳の若さで大腸がんで亡くなりましたが、便潜血検査を受けていませんでした。痔があり、大腸がんによる出血を痔の出血と決めつけていたのです。皆さん、便潜血検査をおろそかにしてはいけません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁