新薬2種類が承認間近…大きく変わる慢性便秘の治療最前線

定年で活動量が減るのも便秘増加の原因(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「便秘は女の病気」と思うかもしれないが、消化器官の衰えなどから50代以降は男性にも便秘が増え、80代以降は男性が女性を上回る。

 便秘の恐ろしさはもうひとつある。対策が遅れると、便秘を専門に診ている医療機関でも治療が難しくなる点だ。「便秘=病気」という認識がないため放置する。これが年単位で続くと、硬い便が排便時に肛門を傷つけ、やがて便意を感じられなくなり、「自然な排便」が不可能になる。

■市販薬の多くは依存性が高い

 市販の便秘薬を使用する人もいるが、これはこれで最悪の結末を招くこともある。

「市販薬の多くは腸を直接刺激して、蠕動運動を引き起こす刺激性下剤です。習慣性、依存性が強く、まるで麻薬のように手放せなくなる。日本の男性は便秘の相談が恥ずかしいのか、放置や自己流の対策に頼る傾向が女性よりある」

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