更年期女性にホルモン補充療法 気になる乳がんリスクは?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 HRTは、女性の更年期障害の治療のひとつ。その効果は大きいが、「乳がんリスクを上げるのでは?」という懸念から治療を受けない人は多い。特に日本では顕著で、普及率は2~3%(欧米では40%)。日本人女性を対象にしたHRTと乳がんに関する調査は過去に埼玉医大が実施し、「HRTは乳がんの発症リスクを高めない」との結果が出ているものの、普及率の低さからそれ以外の研究が国内で行われていなかった。

「一方、湘南記念病院には、『HRTを受ける人はマンモグラフィー(マンモ)と超音波の乳がん検診が必須』とする提携クリニックがあり、HRT経験者が多数集まる。それによって、今回の調査が可能になりました」

 土井医師は、過去5年間の乳がん検診受診者を対象に調査を実施。対象人数は2966人。HRT歴がある人は811人で、27.3%を占めた。前出の埼玉医大の調査は全国7施設の共同研究で、HRT歴の比率は7.4%。湘南記念病院1施設でHRT歴27.3%というのは、いかに多いかが分かるだろう。

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