血糖値は太り気味の40~64歳の中高年の男性が、日頃から気にする数値のひとつです。
誰だって、糖尿病にはなりたくありません。ただ数値が多少高くても、「すぐには死なないだろう」と、タカをくくっている人がほとんどです。
しかしそれは、甘い幻想に過ぎません。政府の統計によれば、2016年の1年間になんと1119人もの中高年男性が、糖尿病で死んでいたのです。内訳は、先天的にインスリンが足りないⅠ型が45人、肥満などが原因のⅡ型が129人で、その比率は1対3になっています。
あとの945人は何型か不明ですが、いまの比率を当てはめると700人前後がⅡ型になります。つまり、合計約830人がⅡ型糖尿病で死んだと推定できるのです。
Ⅱ型糖尿病の末期患者は、慢性合併症のデパートです。血管がぼろぼろになり、末梢神経が侵されて感覚が麻痺し、慢性腎不全や網膜症が進みます。おまけに全身の免疫が弱まって皮膚潰瘍や感染症にかかりやすくなり、尿毒症や敗血症で苦しみながら死んでいきます。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。