原因は歯以外にあり「非歯原性歯痛」の治療で痛みが消える

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 65歳の男性は、半年ほど前から、洗顔時に顔面、左上の歯の辺りに、電気が走るような痛み(電撃痛)が起こるようになった。自宅近くの歯科医院で症状は改善せず、むしろ痛みを認める頻度や持続時間が増加した。

 小見山教授が診ると、前出の女性と同様に周囲の歯に異常所見はなし。唇への刺激で痛みが生じたため、神経の根元へ麻酔を打つと痛みの発作が消えた。診断名は、三叉神経痛。三叉神経痛の薬で、3日目には痛みが激減した。

「加齢とともに血管が動脈硬化を起こし、神経が圧迫され三叉神経痛に至った。電撃痛は典型的な症状です。三叉神経痛が疑われる場合、脳腫瘍が否定できないため、必ず画像検査を行います。薬のほか、脳神経外科やペインクリニックで神経ブロック、神経外科的手術が検討されます」

 48歳男性はアイスピックで突かれるような激痛が歯から始まり、頭の横、右顔面、目の奥に広がった。

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