独白 愉快な“病人”たち

十二指腸潰瘍穿孔の伴大介さん「腹の中でプチッと音が…」

伴大介さん(C)日刊ゲンダイ

 40~60代の、俳優として一番脂の乗った時期に、体がついていかずに多くの仕事を逃してしまったことを実に悔しく思っている。60歳すぎて、やっと「体が健康でないと何もできない」ということを思い知り、自己管理の大事さに気が付いた。だから、今はいろいろ改善している。かかりつけ医に2カ月に1回診てもらって、血液検査でもすべて正常値をキープ。たばこもやめたし、食事にも気を付けて、ご飯は少なめで、良質のタンパク質を取るように心がけている。

 医者のアドバイスでもあるけど、俺が主役を務めた「人造人間キカイダー」の作曲家、渡辺宙明さん(現在93歳)からも「肉を食べよ」と助言されたので、ちゃんと守っているんだ。

 さらに良かったのは、「大建中湯」という漢方薬を知人から教えてもらったこと。腸の機能を整えて栄養の吸収を高めるらしく、それまでどんなに食べても太れなかったのに、飲み始めてから1カ月に約1キロずつ、1年で10キロ以上も体重が増えた。結局、腸が弱っていたから栄養が吸収できていなかったってことなんだな。病気や体質によるだろうけど、俺にはその漢方薬が合ったから今はいたって健康になった。 仕事はこれからだよ。40~60代に逃した分、これからの20年で取り返そうと思っている。90歳を越える? 大丈夫、うちは長生きの家系なんだ。(聞き手・松永詠美子)

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