白くて自然 歯科医が推奨「CAD/CAM冠」のメリットと疑問

市川信一院長(C)日刊ゲンダイ

 銀歯は、金銀パラジウム合金が材料。耐久性には優れているものの、見た目が良くない。金属アレルギーの心配もあった。最近では歯科用金属の高騰で値段も高くなっている。硬質レジンジャケット冠はプラスチック製のため白くて金属アレルギーの心配はないが、強度はソコソコだ。CAD/CAM冠はこれまでの素材の欠点を補った形になっている。

「CAD/CAM冠を扱う歯科医院は3つに分かれます。①従来通り歯科医師が型を取り、石こうを入れるなどして歯の模型を作る。それを基に歯科技工所でCAD/CAM冠を作る②歯科医師が口腔内スキャンを使って型を取り、そのデータを基に歯科技工所で作製する③すべて歯科医院内で行う――です。そのなかには治療期間が従来より短くなる場合もあります。ちなみに①は1週間程度、②は2~3日程度、③なら治療日にすべて終えることも可能です」

 気になるのは値段だ。2014年4月には第1、第2小臼歯が無条件で公的保険適用になったほか、16年4月には金属アレルギーと診断された人のみ大臼歯も対象となった。昨年12月には「金属アレルギーと診断された」場合のほか「4本の大臼歯が残っていて噛み合わせが安定している」などの条件付きで、下の大臼歯も対象となった。条件に該当する場合の自己負担金は、3割負担で1本数千円程度。ちなみに、自由診療だと1本4万~5万円以上するという。

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