いまは日本でも徐々に広まってきていますが、欧米との差を縮めるにはまだ時間がかかりそうです。その要因として大きいのが、欧米と日本では左心耳への治療で使える機器に違いがあることです。治療法が異なることもありますが、保険適用されている機器がまだ少ないという点も影響していると考えられます。
■従来の自動吻合器を改良
そこで、いまわれわれは左心耳への手術に使うための治療機器の開発に取り組んでいます。現在、治療に使われている機器は外国製のものが多く、どうしても価格が高くなってしまいます。たとえば縫合に使う糸は、国産なら1本800円程度ですが、外国製のものは1本1200~1600円になります。国産プラスアルファくらいの価格帯の機器があれば、使いやすくなってもっと広まるのではないかと考え、医療機器メーカーと相談して新しい機器を開発しているのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」