医者も知らない医学の新常識

米専門誌で発表 60代で節制しても認知症は予防できない?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 認知症を予防するにはどうすればいいでしょうか? これまでの研究でほぼ確実といわれているのは、メタボのような生活習慣病を予防することです。

 認知症の代表であるアルツハイマー型認知症は、動脈硬化と直接関係があるわけではないのですが、動脈硬化による病気を予防することにより、どんな薬よりも強く予防出来ることが分かっています。肥満を解消し、血圧やコレステロール、血糖値を正常に保つことが、具体的なその方法です。しかし、どのくらいの年齢から始めれば効果があるのでしょうか? 

 認知症というのは、原因となる物質が脳にたまり始めてから、15年以上経って初めて症状が出る、といわれています。そうなると、高齢になってから生活を改めても、もう手遅れということになってしまいます。最近のアメリカ医師会の精神科領域の専門誌に、フランスで認知症と診断される14年前を調べたデータが発表されています。それによると、発症の14年前には既に、体重の減少や血圧の低下という、発症の兆候と思われる変化は見られていて、その時点で血圧を下げても、ダイエットをしても、あまり効果はなさそうです。

 その一方で血糖値だけは、どの時期においても高いほど認知症になりやすい、という関連を持っていました。

 60代で血圧を下げても、認知症の予防にはもうならないかも知れません。生活改善は一日でも早く始めることが大事なのです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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