日本人男性の死因8位 息苦しいなら慢性閉塞性肺疾患を疑え

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 症状は咳や痰、ゼェーゼェーヒューヒューといった喘鳴。呼吸機能が低下するので、階段を上ったり坂道を歩いたりと体を動かした時に息切れが生じる。症状が進むと「同僚と話しながら歩くだけでも息が切れ、同僚に付いていけない」といったふうに、健康な人なら何でもないことでも苦しさを感じるようになる。

 一度破壊された肺胞は元に戻らず、治療を受けても“今の状況”が変わるわけではない。治療を受けず、喫煙もやめなければ進行していく一方で、命に関わる。

「肺炎、肺がん、肺線維症などを合併しやすくします。COPDは全身疾患であり、骨粗しょう症、筋肉量低下によるサルコペニア、糖尿病、心臓病など多臓器の疾患の発症リスクを上げます」

■治療を受けているのは推定患者数の20分の1

 ところが、COPDがあっても適切な診断・治療に結びついていない人が多い。大規模な疫学調査によると、日本人の40歳以上のCOPD有病率は8.6%で、推定患者数は530万人。しかし、治療患者数は26万人と、20分の1ほど。

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