日本人男性の死因8位 息苦しいなら慢性閉塞性肺疾患を疑え

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一方で、厚労省の統計では、2017年のCOPDによる死亡者数は1万8500人を超え、1995年以降で過去最多だった。死亡順位は男性で8位になる。

 その理由は第1に、冒頭に挙げた通り認知度の低さだ。COPDの認知度を調べた調査では、COPDを「知らない」と答えた人が74%に上った。

 第2に、慢性的な疾患のため、症状の進行はジワジワとゆっくり。「息苦しい。呼吸器に問題があるのでは」と気付きそうな段階でも、本人はその息苦しい状況に慣れてしまい、見過ごしてしまう。「たばこのせい」とは思いつかず、「年のせい」にしてしまうケースもよくある。

 第3に、市町村での健診では肺機能の検査が組み込まれていないので、呼吸器の機能をチェックする機会が少ない。

「COPDの治療は禁煙が大前提。その上で気管支拡張薬や吸入ステロイド薬などの薬物療法、呼吸リハビリテーション、在宅酸素療法や小型の人工呼吸器とマスクで呼吸を助ける換気補助療法、症例によっては手術などが検討されます。早く治療を開始すれば、それだけ呼吸機能を高く保つことができます」

 喫煙習慣がある人は、自分の呼吸機能が本当に正常なのか、まずチェックすべきだ。すでに息苦しさを感じている場合は、呼吸器内科の受診を。

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