愉快な“病人”たち

乗り物には一切乗れず…比企理恵さんがパニック障害を語る

比企理恵さん(C)日刊ゲンダイ

 だから、地方から新幹線で帰ってくるときは大変でした。乗る前は「大丈夫、3時間後には必ず東京に着く」と自分に懇々と言い聞かせ、いざ扉が閉まった後は、死ぬほど苦しい心臓のバクバクと闘いました。時間が経つと少しは治まるのですが、途中の駅で扉が開くたびに「ほら、また開いたでしょ。大丈夫」と自分を励ましながら乗り切りました。一番ひどいときは山手線にさえ乗れませんでした。あんなに頻繁に扉が開くのにね(笑い)。

 その頃には、小さなことが気になって常にドキドキしていました。たとえば「この紙コップは誰が作ったの? 誰? 今すぐ教えて、苦しい!」ってパニックになるという具合。動悸がひどいと「ああ死んじゃう、助けて」となる一方で、うつになって「死にたい」と思ったりするんです。頼れるのは薬だけなので、「ちょっとだけ」と思いながら勝手に量を増やしていました。

■ヒーリング音楽を手掛ける先生との出会いが回復につながる

3 / 5 ページ

関連記事