愉快な“病人”たち

乗り物には一切乗れず…比企理恵さんがパニック障害を語る

比企理恵さん(C)日刊ゲンダイ

 そんなとき、知人の紹介でお会いしたのが漢方と気功の先生でした。その先生は私の顔を見るなり「あなた、大量に薬飲んでるでしょう。今すぐ全部やめなさい!」と言ったのです。

 言われたままに薬をやめてみると、気のせいかいつもより眠れたような気がしました。だからといって、すぐに全部が良くなったわけではありませんが、それが回復の第一歩になりました。

 そして、長く続いた公演も終盤になった頃、共演者の方に、今は亡き音楽家の宮下富実夫先生を紹介していただいたことが、大きな回復につながりました。

 ヒーリング音楽を手掛けていた宮下先生の奉納演奏が長野の戸隠神社で行われたのは、ちょうど舞台が全て終わったタイミングでした。乗り物の恐怖はありましたが、わらをも掴む思いで出掛けました。歩いて山を登ると、神々しい本殿があり、眼下には雲海が広がっていて、そのすがすがしさや安堵感に救われた気がしました。そこから少しずつ、本当に少しずつ良くなっていったんです。

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