意外に知らないホルモンの実力

女性ホルモンが減少する閉経後も乳がんを発症するのはなぜ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 女性ホルモンは「女らしさ」をつくり、「子づくりの準備」に威力を発揮する。卵巣から「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類が分泌されている。東京都立多摩総合医療センター内分泌代謝内科の辻野元祥部長が説明する。

「女性ホルモンは、母親の胎内では子宮や卵巣などの女性生殖器を発育させ、生まれて思春期になると乳房や乳腺を発育(2次性徴)させます。また、脳に働くと協調性をもたらす『オキシトシン』というホルモンの作用を増強させます」

 女性の月経周期は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が交互にピークを迎えることで起きている。エストロゲンは排卵直前に最も分泌が高まり、子宮内膜を厚くさせる。女性を美しくする効果が強いので「美人ホルモン」とも呼ばれる。つまりこの時期、男の精子をゲットできるように“女子力”が増すのだ。

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