当院でも、食事と心臓疾患の関連性についての調査を行っています。何を食べたか……といった内容についてではなく、患者の満腹度や食事環境の違いを比較するもので、たとえば「食事の回数が不規則な人と、規則正しい人では心臓疾患の発症率に差はないのか」といったデータを集めています。
近年、食事と病気の関係に関する研究が世界中で盛んに実施されている背景には、食品メーカー側の“思惑”があります。研究者に協力を依頼して、ある製品に含まれている成分が病気の予防に効果的だというデータが集まれば、メーカーはその製品を「積極的に摂取すると健康に良いですよ」と大々的にPRすることができて、売り上げアップを望めるのです。
また、依然として死亡原因第2位である心臓疾患に対して「食事や生活習慣の改善による1次予防を積極的に行って病気の発生予防を拡大し、ひいては医療費抑制を図る」という、ある意味、先進国共通の利害も見え隠れしているといえます。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」