新薬も続々 関節リウマチ治療は現在どこまで進んでいるか

未病の人の発症を防ぐ研究も(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 免疫系が自分の体の関節を攻撃して炎症を引き起こす関節リウマチ。酷くなると関節の骨や軟骨が破壊され、日常生活に支障をきたす。30~50代の女性に多く見られ、男性も女性の3分の1の確率で罹患するという。薬物治療が中心だが、近年さまざまな薬剤が登場し、完治は難しいものの寛解(一時的に症状がなくなり病状が落ち着いた状態)する患者も少なくない。薬物治療は急速に進歩していて、2月には生物学的製剤の新薬「ケブザラ」が登場したばかりだ。治療はどこまで進んでいるのか。東京女子医科大学膠原病リウマチ内科特任教授の針谷正祥医師に聞いた。

■厚労省は新たに対策委員会を設置

「薬物治療で使用するのは1999年に承認された内服薬のメトトレキサート(MTX)と、2003年から使用が開始された3つのカテゴリーの生物学的製剤が中心になります。日本の関節リウマチ診療ガイドラインでは『関節破壊を防ぐ』ことが最重要事項です。関節リウマチは関節包の内側にある滑膜が異常増殖して炎症を起こし、関節が破壊されます。そこで、まずは炎症を鎮めるMTXの服用を行います。MTXは細胞中のアデノシンという物質の濃度を上昇させ、滑膜中のT細胞、マクロファージ、好中球などの働きを抑え、関節炎を改善させます」

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