■予防についての研究も進行中
では現在、治療の研究がどういった方向に進んでいるのだろうか。
「ひとつは新たな治療標的分子に対する薬剤の開発です。現在はサイトカインGM―CSFの受容体に対する抗体に関する臨床試験や、複数のサイトカイン経路をブロックするJAK阻害薬の開発が盛んに進められています」
さらに、予防についても研究が進んでいるという。リウマチの原因は遺伝が20%で、残りの80%は生後の環境であることがわかっている。ここに予防の鍵があると考えられているのだ。
「関節リウマチ発症の4~5年前から体内にリウマトイド因子や抗CCP抗体が出現し、量が増えてきます。そこで、リウマチ家系の人や健康診断で抗体に陽性反応が出た未病の人の発症をどう防ぐか、という研究が行われています」