夏より臭い「秋冬の汗」 4つの理由とドクターお勧めの対策

ワキ汗が気になると…(写真はイメージ)
ワキ汗が気になると…(写真はイメージ)(C)日刊ゲンダイ

 知らず知らずのうちに周囲にまき散らしているかもしれない。

「秋冬の汗のニオイは、特に注意が必要」と話すのは、五味クリニック院長で、体臭・多汗研究所所長の五味常明医師だ。

 理由は主に4つある。

 まず、秋冬の衣類は保温性が高く、通気性が悪いため、濃縮したニオイが衣類にこもりやすい。コートやセーターを脱いだ途端、モワ~ッと嫌なニオイが周囲に漂う。最近は保温機能に優れた下着が増えた。帰宅して服を脱いだ途端、家族が顔をしかめたら……この可能性が高い。

 次に、秋冬は汗をかく機会が減り、汗腺の機能が落ちやすい。するとミネラルが多く含まれ、ベタベタして乾きにくい“悪い汗”になる。

「ミネラルで皮膚表面がアルカリ性になり、皮膚常在菌が繁殖しやすくなる。アンモニアや乳酸などのニオイ成分、加齢臭のもとになる脂肪酸も“悪い汗”に多く含まれています」(五味常明院長)

 また、秋冬は寒さに備えて基礎代謝が高くなり、夏よりも、ちょっとしたことで汗が出る。さらに、秋冬は体の一部、中でもワキの下に汗をかきやすい。

「部分汗は目立ちやすく、ニオイも気になりやすい。ワキ汗には、ニオイへの不安からくる『精神性発汗』もあります。不安が高まり、気温と関係なく、精神性発汗を頻繁にかくようになる人もいます」(五味常明院長)

■ミョウバン入り消臭剤が有効

 では、どうすれば? 五味院長が勧めるのは、「汗をかく機会を極力増やす」。もちろん、目的は汗腺の鍛錬。軽い運動、熱い物を食べる、湯船にじっくりつかる。入浴前に乾布摩擦をすると、汗をかきやすくなる。

 ワキ汗には、制汗剤の働きのあるミョウバンがいい。清潔な容器にリンゴ酢500ミリリットル、レモン1個分の搾り汁、焼きミョウバン60グラム、塩ひとつまみを入れてフタをし、振って中身を混ぜ、半日寝かせる。液をガーゼなどに染み込ませ、夜、入浴後にワキに挟んで5分置く。ガーゼを取り、ワキの下が乾いたら寝る。酢のニオイが気になるなら、翌朝シャワーで軽く流せばいい。

 作るのが面倒なら、ミョウバン入りデオドラント・制汗剤がドラッグストアなどで買える。ニオイを指摘してくれる人はなかなかいない。自分で対策を講じるべし。

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