風邪薬で眠くなりたくない…チェックポイントは1つだった

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 椅子から転げ落ちそうなほどの眠気に襲われた…先日、日刊ゲンダイ記者が市販の風邪薬を飲んだ時のことだ。

「くしゃみ・鼻水・鼻詰まりに効く」と箱に書かれた、どのドラッグストアでも見かける風邪薬。「1回1錠」「1日1、2回」という用法・用量をきっちり守って飲んでいたのだが、強い眠気には参った。くしゃみは止まっても、これでは仕事にならない。

「その風邪薬には、古い世代の抗ヒスタミン剤が含まれていたのでしょう。副作用として、眠気が問題になります」

 そう話すのは、医学博士の米山公啓氏だ。風邪薬を飲んで眠くなりたくなければ、「抗ヒスタミン剤」をチェックすべきという米山氏にアドバイスしてもらった。

「風邪薬には、主に解熱剤と抗ヒスタミン剤が入っています。解熱剤は眠気の副作用はほぼありません。抗ヒスタミン剤は第1、第2、第3世代とあり、第1、第2世代は眠気の副作用が強く、第3世代は眠気の副作用が弱い。だから、第3世代の抗ヒスタミン剤の風邪薬を選ぶと、眠くなりにくいのです」

 抗ヒスタミン剤の種類はたくさんあって覚えきれないので、ドラッグストアで買う時に「眠くならない抗ヒスタミン剤が含まれている風邪薬はどれですか?」と薬剤師に聞くといい。

 市販薬よりも処方薬の方が眠気に襲われづらいように思うのだが、これは気のせいだろうか?

「医療機関でよく出される風邪薬は、1つの薬に複数の有効成分が入った総合風邪薬。古い世代の抗ヒスタミン剤が使われていて、眠気が出ます。医療機関でもらった薬が眠気に襲われづらいなら、それは解熱剤なら解熱剤、抗ヒスタミン剤なら抗ヒスタミン剤と別々に処方されているからでしょう。その場合、抗ヒスタミン剤は第3世代のものを出す可能性が高く、眠気が少ない」

 ところで、そもそも風邪薬は必要なのか? 米山氏は即答で「ノー」。

「風邪は本来なら、1日ゆっくり寝ていれば回復に向かう病気。風邪で仕事を休めない現代人のために、症状を抑える目的で出すのが風邪薬です」

 風邪で医療機関にかかり、抗生物質を処方されたら、その医師は「信頼しない方がいいかもしれない」という。

「抗生物質は風邪のウイルスには効かず、風邪の予防にもならないことは、今や世界の常識です」

 風邪真っ最中の日刊ゲンダイ記者は、仕事を休めそうもないので、“眠くならない抗ヒスタミン剤”の風邪薬をおとなしく飲みます。