人生100年時代を支える注目医療

座りすぎ研究 座位時間が長いほど総死亡リスクは高くなる

立って働くのがいい、右は岡浩一朗教授(提供写真)

 また、テレビを見るために1時間座り続けるごとに、平均余命が22分間短くなるという報告(12年)もある。がんとの関係を調べた研究も多く、子宮内膜がん、結腸がん、乳がん、肺がんなどをトータルで見ても、座りすぎが罹患リスクを20%高めている(14年報告)ことが分かっているという。

■運動しても解消されない

「座りすぎ=運動不足」だから“健康に悪い”と思いがちだが、そうではないという。

「座りっぱなしの時間が長いと健康リスクを高めるメカニズムは十分解明されていませんが、座りすぎることで太ももの筋活動が低下し、血流も悪くなり、病気につながると想定されています。大切なのは、運動不足と座りすぎは“別もの”と考えることです。毎日運動していても、それ以外の時間に座りすぎていると、せっかくの運動による健康効果を減少させてしまうのです」

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