人生100年時代を支える注目医療

座りすぎ研究 座位時間が長いほど総死亡リスクは高くなる

立って働くのがいい、右は岡浩一朗教授(提供写真)

 日本の就労者の約4分の3がデスクワークに従事しているとされ、その多くが起きている時間の60%以上の時間を椅子に座ってパソコンなどと向き合っている。仕事中の座りすぎを解消するには「30分のうち3分、少なくても1時間のうち5分は、定期的にブレーク(立って体を動かす)するのが理想」という。立てる状況でなければ、膝を伸ばして太ももに力を入れたり、つま先立ちを繰り返すなどでもいい。

 座りすぎは健康リスクを高めるだけでなく、仕事の効率や意欲、活力なども低下させる。

 そこで岡教授が提唱しているのが、立っても座っても仕事ができる「スタンディングデスク」の職場への導入だ。通常のデスクの上に設置する簡便なものもある。近年は外資系やベンチャーなど、導入する企業が増えている。

「座りすぎ対策は、会社組織として介入しないと個々の社員では取り組みにくい。立ちたいときは立って、座りたくなったら座る、仕事の仕方を社員が自由に選択できることが重要なのです」

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