ステージⅣがん治療を断るとどうなる

妻と息子はがん治療拒否という私の決断を無言で受け入れた

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 早期発見だったはずのがんも1度の手術では済まなかった。母親をがんで亡くし、その母親が抗がん剤治療で苦しんでいる姿に接していた彼女は最初、治療を受けないことも考えていた。その彼女の考えを変えたのがお嬢さんだった。お嬢さんは泣きながら治療を受けるように訴えたというのだ。私も家族に泣いて治療を勧められたら、治療を受けない決意を通せただろうか。

 治療によってがん細胞が縮小しても、治療しなかった場合との比較はできない。私の知っている多くの医師、そして今回私を担当した4人の医師は“がんを治療しない”という選択を理解できなかったし、がんを治療しないとどうなるかを分からなかった。

 私の決断に対し、家族や友人たちが危ぶむことなく納得してくれたことが、私には一番うれしいことだったし、大きなことだった。

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笹川伸雄

笹川伸雄

ジャーナリスト。1946年、宮城県生まれ。医、食、健康のジャンルを得意とし、著書に「妙薬探訪」(徳間文庫)など

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