歯周病が全身の病気に関係する3つの理由 がんとの関連性も

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 歯周病治療がおろそかだと、心臓病手術後の経過が悪く、誤嚥性肺炎のリスクも高くなるからだ。歯周病が「口の中だけの問題」という時代は去った。いまや「歯周病は全身の病気に関係する」という考えが、歯科医・医師の間では常識だ。

 理由はいろいろあるが例えば、心筋梗塞、脳卒中につながる動脈硬化に関しては、主に3つ挙げられる。まず、歯周病による慢性炎症。これで免疫や炎症に関係があるサイトカインが次々に誘導され、血液を介して全身に運ばれ、特に血管をつくる内皮細胞を攻撃。内皮細胞は病的に変形し、動脈硬化を起こし、血管の内径が細くなる。

 次に、歯周病を起こす歯周病原菌が口腔内で繁殖して全身に運ばれると、歯周病原菌は血液を固める作用が強いため、血栓ができる。

 さらに、繁殖した歯周病原菌を排除するために、マクロファージという細胞が活性化されサイトカインを放出したり動脈硬化を促進する。 

2 / 3 ページ

関連記事