ゲームは悪くない?認知機能が上がりストレス耐性が養える

(C)naumoid/iStock

 ビデオゲームに熱中する人たちを「注意散漫でキレやすい」とイメージするのは止めた方がいいかもしれない。近年、心理的メリットがわかってきているという。東京家政大学現代生活学部の加地雄一准教授が言う。

「かつてビデオゲーム中に前頭前野(知性や理性、創造性を担い、感情のコントロールも担当)の活動が低下するとの発表があり、ゲームに熱中する子供は日常的に前頭前野の活動が低下した『ゲーム脳』状態とする仮説が話題でした。その後、この仮説は批判され、認知能力を調べると前頭前野を使う課題はゲーマーの方がむしろ成績が良いなど多数のメリットが報告されているのです」

■悪いのは「課金」のギャンブル性のほう

 2003年には世界的科学雑誌「ネイチャー」に一人称視点のシューティングゲームをする人は視覚的注意という認知能力が高いことが報告されている。ゲームによっては、ある課題から別の課題にスムーズに切り替える認知的柔軟性、問題解決能力、空間能力、粘り強さなども鍛えられることが発表されている。

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