orphan diseaseとは、「極めて患者数が少なく、製薬企業が関心を示さないような病気」という意味だ。
ところが最近の研究で、気管支拡張症は増えており、その約50%はこれといった病気がなくても発症する特発性(原因不明)で、風邪の後だけ症状が出るといった“軽症の気管支拡張症”も多いと分かってきた。
そして、最初は軽症であっても、一部の人は繰り返しているうちにゆっくりと進行し、階段などで息切れをきたすようになることもある。関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの全身性炎症性疾患との関連が強いことも明らかになってきた。
この流れを受けて、昨年9月には初の国際治療ガイドラインが発表された。欧米ではメカニズムや治療法などが盛んに議論され、欧州、米国、オーストラリアで大規模な患者調査がスタートしている。