「毎日入浴すれば介護を受けず健康に暮らせる」――。こんな調査結果が高齢者を安心させている。
千葉大学などの研究チームが2010年8月から12年1月まで65歳以上の男女計約1万4000人を追跡調査。夏に週7回以上入浴していた人は週に0~2回の人より要介護認定のリスクが約28%減り、冬の入浴では約29%減という結果が出た。研究の中心メンバーを務めた千葉大学医学部付属病院の八木明男医師に聞いた。
「なぜこうした結果が出たのかはこれから研究します。毎日の入浴で介護のリスクが約3割減るというのは大きな数字。入浴が認知症予防につながる可能性もありそうです」
ある研究メンバーは、長時間労働が多く喫煙率の高い日本人が長寿なのは国際的な謎とされているが、入浴がひとつの要素なのではないかと指摘している。
医学博士の米山公啓氏は「原因として考えられるのはリラクセーション効果」と言う。