独白 愉快な“病人”たち

料理研究家の相田幸二さん 1型糖尿病で一時はどん底に…

相田幸二さん(C)日刊ゲンダイ

 一方の1型は小児糖尿病といわれていた病気で、原因は不明です。分かっているのは自己免疫によってインスリンを出す細胞を攻撃してしまい、インスリンが出にくくなるということ。遺伝でも食生活でもなく、防ぎようがないといわれている病気です。

 医師から「今の医学では不治の病。インスリン注射は一生です」と言われたときは、どん底に落ちました。インターネットでも「寿命が短い」とか、「合併症が出ると余命5年」といった極端に偏った情報であふれていて、「俺はもうダメなんだろうな」と思ってしまったんです。

 でも、同じ病気でも頑張っているスポーツ選手や子供たちのことを知るにつれ、意識が変わっていきました。病気の公表を決意したのは主治医から「誤解が多い病気なので、相田さんのような方が1型糖尿病を公表して周知活動していただけると、医師としても助かります」と言われたことでした。

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