独白 愉快な“病人”たち

料理研究家の相田幸二さん 1型糖尿病で一時はどん底に…

相田幸二さん(C)日刊ゲンダイ

 調べてみると、1型糖尿病は10万人に1~2人しか発症しない難病で比較的子供が多い。食前のインスリン注射をするために、年齢によっては親が学校に付き添わなければならないし、運動などで低血糖になったら糖分の補食が必要です。すると「あの子だけ特別扱い」と誤解されたりもする。

 もっといえば就職の際に「糖尿病である」と言うと語弊が生じて不採用になったり、成人すると医療費控除が外れ、月2万円前後の薬代がのしかかってくる。発症率が低いので国の研究費も少なく、寄付を募って補填しているのが現状なのです。そんなことを知れば知るほど、病気について発信したい思いが強くなりました。

 先日は、あるお母さんからお手紙をいただきました。「娘が1型糖尿病になってしまって毎日泣いていたのですが、テレビの中の“こうちゃん”が同じ病気だと知って少し元気になりました」と書いてありました。公表した甲斐があったというものです。

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