前回取り上げた最新式のグルコース値測定器は画期的な発明だ。一方で、実用化されてからまだ日が浅いせいか、実際に使っていると、あれこれ不具合を感じることもあった。
肌に装着するセンサーは、連続14日間使用可能。逆にいえば、一度装着すると14日間はつけっぱなしにしていなければならない。途中ではがすと、もう使えなくなる。
センサーには肌に刺さったままになる細い針がついていて、粘着テープ風に肌に貼りついている。その内側でも汗は当然かく。何日かつけていると、接触面がかゆくてたまらなくなる。
夏場はそれだけでもしんどい。加えて6月あたりから、あるトラブルが頻発していた。あくまで僕のケースだが、何日か使っていると、測定したグルコース値が、血糖値よりはるかに低く出るようになるのだ。誤差とは呼べない規模のズレで、実質使いものにならない。
メーカーに電話すればセンサーは交換してもらえる。しかし、2、3日おきに交換依頼をさせられるのはたまったものではない。トラブルは、秋が深まった頃にようやくおさまってきた。
今年は特に猛暑だっただけに、センサーと肌との接触面で汗などが原因で炎症が起き、結果としてセンサーの感度が鈍っていたのではないかと推測される。今のところ詳しい原因は不明だ。
メーカーも当該のセンサー現物を本社に送って検査を依頼しているようだ。
ただし、本社がアメリカにあるので、かなり時間がかかるとのこと。それで原因が特定できたとしても、商品に反映されるのはだいぶ先になりそうだ。
まだまだ改善の余地があるということだ。最初はなんて便利な機器が発明されたものかと単純に狂喜していたが、いい話には必ず裏がある。
保険が利くとはいえ、僕はお金を払ってこの商品を利用している消費者でもある。しかし、トラブルがこれだけ相次ぐと、商品の不具合を見極めるためのモニターとして体よく動員されているような気がしないでもない。