レモンが骨粗鬆症や高血圧対策に 広島の“レモン島”で証明

(C)Jerry Mc/iStock

 レモンを積極的に取ると、骨粗鬆症のリスクが減り、血圧を低く抑えられる――。こんな研究結果が発表された。

 研究を行ったのは、県立広島大学保健福祉学部理学療法学科の飯田忠行教授ら。2017年2月から翌18年2月に、レモン生産量日本一を誇る広島県の離島で“レモン島”とも呼ばれる大崎上島の島民90名(61・9歳±10・8歳、男性26名女性64名)を対象に調査した。すると、骨粗鬆症リスクが分かる骨密度の平均値が、レモン島の島民は同年齢平均より高く、レモンを多く取っている人ほどその数値は高かった。

 また、血圧についても「定期摂取している」と答えた人ほど、最高血圧が低かった。

「骨密度には、クエン酸が持つキレート作用が関係していると考えています。骨密度を維持するカルシウムは吸収されにくい成分。しかし、キレート作用によってカルシウムが腸から吸収しやすい形に変わり、10~20%吸収率が増すのです」(飯田教授)

■島民の健康寿命は全国平均より7歳も高い

 一方、血圧抑制に関しては、レモンの動脈硬化予防に着目。

「動脈効果は、悪玉コレステロールが酸化し、動脈壁に吸着することで進行する。レモンに豊富なポリフェノールには抗酸化予防があり、しかも吸着しづらくする」(飯田教授)

 飯田教授によれば、レモン島の島民の健康寿命は全国平均より7歳も高い。彼らのレモン平均摂取率は5日に1個で、中には2日に1個という人も。これは、健康寿命の長さに関係していると見ていいだろう。。

「みなさん、日常的にレモンを活用していますね。牛乳とレモンとハチミツに入れてよくシェイクした飲み物などは、ラッシーのようで非常においしいですよ。これなんて、骨粗鬆症対策にすごくいい」(飯田教授)

 県立広島大学では2008年からレモンの研究を実施。飯田教授は前任者から引き継ぐ形で、5年前から中心になって研究を行っている。

「レモンと島民を絡めての研究・調査はほかにあまり例がなく、今後はもっと様々な健康効果が明らかになってくると見ています」(飯田教授)

 なお、レモンは皮にも有効成分が豊富。国産レモンが手に入るなら、皮ごと使った方がいい。

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