軽い病気と思っていたら…糖尿病患者は感染症を甘く見ない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 冬は糖尿病が悪化しやすい季節だ。日本を含めた北半球では直近2カ月の血糖値近似値を示すHb(ヘモグロビン)A1cが12~3月で最も高いことがわかっている。そこで心配になるのが感染症だ。糖尿病の人は免疫力が下がり、あらゆる感染症にかかりやすい。日本糖尿病学会の調査によると感染症はがんに次いで2番目に多い糖尿病患者の死因である。水虫から足を切断したり、風邪やインフルエンザで命を失ったりすることもある。実際、感染症による炎症が脳梗塞や心筋梗塞、がんなどさまざまな病気の原因になっている可能性もあるのだ。糖尿病の人は感染症を甘くみてはいけない。

 糖尿病の人がかかりやすい感染症のひとつが尿路感染症だ。尿道から感染し、膀胱炎、腎盂炎、腎盂腎炎と症状が重くなる。女性に多く、陰部のかゆみ、残尿感、排尿痛などの症状が表れる。風邪やインフルエンザといった上気道炎や、白癬(水虫)やカンジダ症といった皮膚疾患、歯周病、さらには胆のう炎などにも注意が必要だ。しかし、糖尿病の人の感染症が厄介なのは健康な人ならまず発症することのない、ごく珍しい場所で珍しい感染症にかかることだ。

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