軽い病気と思っていたら…糖尿病患者は感染症を甘く見ない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 高血糖だと血流が悪くなり、酸素や栄養素だけでなく病原体と戦う白血球も届きにくくなる。当然、感染でダメージを受けた細胞などの修復が遅れる。こうしたことも糖尿病の人が感染症に弱い原因となっている。

「糖尿病の人が糖尿病以外の病気になることを『シックデー』といい、急激に血糖値が上がることがわかっています。そのため特別な対応が必要となります。病気になると、病原体と対抗するため体からアドレナリンなどのストレスホルモンやサイトカインが分泌され、血糖値を上げます。健康なら同時にインスリンを分泌して血糖値を調整するのですが、糖尿病の人はそれができません。そのため、血糖値は30%以上、上昇するといわれているのです」

 最初は軽い風邪だと思っていても、血糖値が上がり、みるみる重症化することも多いという。食事がとれない、症状が悪くなったという人は迷わず病院に行くことだ。普段インスリンが必要のない糖尿病患者でも、一時的にインスリンが必要となる場合もある。

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