医者も知らない医学の新常識

科学的な根拠は?「朝食を食べないと太る」は本当なのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 皆さん、朝ごはんをしっかり食べていますか? なかなかその余裕がなくて、コーヒーだけですますという人もいると思います。健診などで内臓脂肪が多かったり、肥満気味と指摘されたりすると、保健師さんから「朝食をしっかり食べないと太りますよ」と言われます。確かに朝食に時間をかけると「今日も頑張るぞ」という元気の源になるような効果は実感されます。

 しかし、「食べないのに太る」というのは、あまり納得がいかない気もします。「朝食を食べないと太る」というのは科学的な事実なのでしょうか? 

 思春期に朝食をしっかり食べないと、大人になって肥満やメタボになりやすいという報告はいくつかあります。血糖値が上がりやすいという報告もあります。ただ、内容を見てみると、「ややそうした傾向がある」という程度で、それほどはっきりしたデータではありません。

 今年の「プロス・ワン」という医学誌に載った論文では、朝食を食べないと体内時計が乱れて脂質代謝に影響が出る、という動物実験の結果が報告されています。ただ、そのデータも細かく見ると、それほどはっきりした差が見られるというものではありません。

 朝食を取らないことは、他の不健康な生活習慣と結び付いていることが多いため、悪く言われがちなのが実態で、「朝食を食べないと必ず太る」というのは事実とは言えないようです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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