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3割が眼精疲労でトラブルに メガネ選びで体はラクになる

眼精疲労、肩凝り、頭痛がスッキリ
眼精疲労、肩凝り、頭痛がスッキリ(C)日刊ゲンダイ

「字が小さすぎて読めない」とブチまけるハズキルーペのCMは、10月後期の好感度調査で全3110作品中トップ。それを見て「そんなに見えるのか?」と興味を持った人は少なくないだろう。7割ともいわれるメガネユーザーのうち、不調に悩む人が少なくないのだ。では、体が楽なメガネはないか。吉祥寺森岡眼科の森岡清史院長にその選び方を聞いた。

「パソコンやスマホの普及で、眼精疲労に苦しんでいる人は多い。その症状は、目の疲れや痛みはもちろん、肩凝り、頭痛など身体症状に及びます。そういう患者さんの話をうかがうと、IT機器の影響がありますが、掘り下げてみると、不適切なメガネの悪影響があることが珍しくありません。それなら、適切なメガネに替えると、不調は解消します」

 ちょっと古いが、日本眼科医会の「平成22年度眼鏡に関するアンケート調査」は、メガネユーザーの不調を報告。40%が見え方の悪さを訴えているほか、眼精疲労(27.7%)や肩凝り(10.2%)、頭痛(8.8%)などの身体症状も目につく。きつい状況だけに、楽なメガネの選び方を知る意味は大きい。そこで選び方だ。

●矯正視力は0.9か1.0

「よく見えるようにという気持ちは察しますが、過矯正はメガネ不調の大きな原因。デスクワークなど近くを見る時間が長い人ほど、その負担は重い。PC作業や会議などが仕事の中心なら、矯正視力は両目で0.9か1.0で十分です」

 眼科医会の調査では、1.0以上に矯正している人は約6割に上る。

「見えにくい人は、古い検査結果の矯正視力が受け継がれているため。見直すといい」

●焦点距離をしっかり把握する

 どれくらいの距離でピントを合わせるか。その距離が焦点距離だ。

「必要な矯正視力が1.0でも、遠くを見つめるドライバーとPCや身の回りなどのチェックが中心のデスクワーク、店内を広く見渡す監視員などでは、焦点距離が全く違います。メガネを作るとき、その距離感を伝えないと、デスクワーク用メガネとして作られる可能性が高い」

 仕事はデスクワーク、趣味はゴルフという人は、仕事用とゴルフ用を使い分ける。「ゴルフが終わったら、仕事用につけ替える」のがベターだ。

●デスクワークなら乱視の矯正は不要

「乱視の影響が表れるのは遠くを見るときで、近くは表れにくい。デスクワーク中心で、近視と乱視を合併している人なら、乱視の矯正は弱めでいいのです。眼科医なら、検査で認められた乱視を完全に矯正するのではなく、半分程度に弱めたりします。その上で、近視の矯正も若干弱めると、ちょうどいい矯正視力になるのです。ところが、そんな工夫がなされず、検査結果通りに完全に矯正されると、さまざまな不調が生まれます」

 たとえば、仕事用とゴルフ用なら、乱視の矯正をするのはゴルフ用のみでいいという。

●拡大鏡を使うときも近視用の調節は必要

「ルーペ(拡大鏡)を使っても、近視用のメガネの矯正が不適切だと、ボヤけた画像が大きく見えるだけ。メガネの調節は必要です」

●処方箋は眼科で

「メガネ店のスタッフも微妙な調節をしてくれるかもしれませんが、力量の差もあり、現実には難しいでしょう。メガネの不調がある方は、このような点を眼科医に伝えてメガネの処方箋を書いてもらうことです」

 日本消費者協会の調査によると、7割は眼科医の処方箋を受けず、メガネ店の検査のみで購入している。一度、眼科で検査を受けるのが無難か。

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