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悪玉が正常値でも要注意 コレステロールはLH比で評価する

評価は「LH比」で決まる(C)日刊ゲンダイ

 しかし、もう半歩踏み込んでチェックする必要があります。悪玉コレステロールは、血液に乗って全身を駆け巡って血管の壁という壁に脂肪をまき散らしていきます。そのまま放っておいては、動脈硬化に。それでは困るので、善玉コレステロールがその後を追いかけて、壁にくっついた脂肪をはがして回収。善玉のおかげで動脈硬化が予防できるのです。

 さて、伊東さんは、善玉コレステロールも、悪玉コレステロールも正常値なので、安心かというと、実はそうではありません。

 というのは、悪玉コレステロールと善玉コレステロールは、その比率が大切なのです。それが、LH比と呼ばれるもの。悪玉コレステロール値を善玉コレステロール値で割った数値が2・5以上だと、動脈硬化や血栓のリスクが俄然高くなります。伊東さんのLH比は2・7と危険な水準。健康診断の結果のA評価をうのみにしてはいけない理由がそこにあるのです。本当の評価は「C:要経過観察」が妥当でしょう。

※正常値は、日本人間ドック学会の数値に準拠

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

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