ステージⅣがん治療を断るとどうなる

ノーベル賞・本庶名誉教授で注目の免疫療法の基本は食事

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 免疫チェックポイント阻害剤が話題だが、免疫力を高める方法として以前からいわれてきたのが食事療法である。

 食事療法の代表的なものが、ドイツの医学博士マックス・ゲルソンが開発した「ゲルソン療法」。がんの原因になる食品は一切取らず、無添加の自然な食物の持つ栄養素をバランスよく取ることで、人間が本来持っている体の機能を高め、病気を克服しようとするもの。ほかの食事療法のもとにもなっている。

 福島学院大学副学長の星野仁彦医師は、5年生存率0%といわれたがんをゲルソン療法で克服した。その成果が注目を集め、数多くの食事療法が生まれた。これらの食事療法には厳しい食事制限がある。無塩、玄米食、菜食、肉食禁止のほか、βカロテンやリコピンの多量摂取を勧めているものもある。しかし私には、いずれも功罪相半ばのように見える。

 私も食事の大切さは実感しており、この三十数年、自己流の食事法を実践してきた。よくある自然食スタイルに近く、朝食はお茶に自家製の梅干し。水、調味料、無農薬、国産などにもこだわっている。

 そんな私は、がんを宣告されたが、今までの食生活を変えるつもりはない。これがいいからといって、何かひとつだけを取ることはしない。体が欲していないものは取らない。そして、どんなにいいと言われているものでも、一回距離を置いて考える。“絶対”や“万能”はないし、人は千差万別なのだから。

 でもその中で、がん宣告後に始めた食べ物がある。それは米ぬか食だ。食文化研究家の永山久夫さん(84)が勧めてくれたもので、無農薬の米ぬかを炒って、スプーン1杯ほど食べ物にふりかけて食べるというもの。

「米ぬか食を長年続けているが、スタミナがついた。疲れなくなった」とは永山さん。私も毎朝、ヨーグルトにメープルシロップとともにかけて食べているが、免疫力が高まり、疲れを感じにくくなった気がしている。

笹川伸雄

笹川伸雄

ジャーナリスト。1946年、宮城県生まれ。医、食、健康のジャンルを得意とし、著書に「妙薬探訪」(徳間文庫)など

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