片頭痛に新治療法 「予兆療法」で頭痛薬いらずになるのか

異常気象が片頭痛を招く(C)日刊ゲンダイ

 334人中、①予兆あり②天候の影響③めまい症あり――の条件を満たす111人に、めまい症の薬ジフェニドールを予兆期に服用してもらった。気圧の低下を耳の奥にある「内耳」のセンサーが感知して、内耳から脳幹への興奮の伝達で頭痛発作が誘発される。ジフェニドールは、この興奮を調節し、予兆期にて頭痛発作を阻止する。

 その後に調査を行った73人のうち、「2回に1回以上頭痛発作の出現を阻止」できたのは35人(48%)で、全体の86%に発作阻止の効果が見られた。頭痛の強さも、7割以上で軽減した。

 予兆療法は片頭痛の予兆を自覚した時のみ行うことが原則。一人一人が予兆期における最適な服用のタイミングを見つける必要がある。まだ周知された治療ではないため頭痛専門医の指導を受けるのが望ましい。

「前兆に比べ、予兆はある人が多い。片頭痛に移行する予兆か、それとも一般的な不調かは、頭痛の起こった日時や症状を記録する頭痛ダイアリーで見極められます。予兆療法は頭痛発作を直前に阻止するため、精神的な不安も軽減します。予兆療法、急性期治療、予防療法をうまく組み合わせることで、頭痛をより上手にコントロールできるようになり、薬の使い過ぎが招く薬物乱用頭痛の予防も期待できます」

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