たとえば、それまで休みなしで歩けていた距離を歩けなくなったとか、階段がおっくうになって一息で上れなくなった、まわりの同年代の歩く速度についていけなくなった、いままで通してできていた作業が一休みしないとできなくなったなど、何らかの生活制限がある場合、たとえ動悸や息切れといった典型的な自覚症状が出ていなくても、心臓疾患が疑われます。かつてはなかった生活制限そのものが症状として表れているケースもあるのです。
こうした分類にあるような生活制限に当てはまる場合、できるだけ早く一度は心臓超音波検査などの非侵襲的検査を受けましょう。早期に弁膜症を見つけられれば、それだけ治療の選択肢が増えるので、たくさんのバリエーションの中からより早く確実で安全な方法を選ぶことができます。それによって、心臓はコンディションが良い状態を維持できますし、大がかりな治療をすることなく、最終的には生活制限がなくなった状態で一生を送れるようになります。 典型的な自覚症状だけではなく生活制限にも目を向けることが、より心臓を守るのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」