単なる擦過傷では済まない…靴擦れが引き起こす意外な病気

若い人ほど注意が必要(C)日刊ゲンダイ

 これからの季節、意外に目立つのが靴ずれだ。「ボーナスで新しい靴を買った」「貸靴でスキー、スケートやボウリングを楽しむ」など普段とは違った靴を履く機会が多くなるからだ。ところが靴ずれができても大抵の人は「単なる擦過傷」と軽く考えがち。しかし、手当てが不十分だと思わぬ感染症を発症。せっかくのクリスマスや年末年始の休みを病院で過ごすことにもなりかねない。「横浜市立みなと赤十字病院」集中治療部の田嶋淳哉医師に聞いた。

 20代の男性は旅行中に左足底に靴ずれによる水疱ができた。「若くて免疫力もあるからそのうち治るだろう」と放置したところ、その2日後、熱と悪心にも襲われたため、自分で救急車を呼び病院へ。そのまま半月間入院生活を送ることになった。

「当初、この男性は40度近い熱がありました。靴ずれから周囲に蜂窩織炎(皮膚に起きる急性の感染症)ができ、そのことによる発熱だと考えられていました。脈はやや速いものの、意識はハッキリしていて呼吸数、血圧も安定しており、CT検査でも異常はありませんでした。左足底の1センチ大の水疱の中は膿性でした」

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