単なる擦過傷では済まない…靴擦れが引き起こす意外な病気

若い人ほど注意が必要(C)日刊ゲンダイ

「ただし、黄色ブドウ球菌自体は人の皮膚や鼻の中に常在するありふれた菌です。普段は害はありません。皮膚を切ったり、刺されたり、やけどしたり、皮膚のバリアーが壊れたときに感染が起きやすくなります。TSSは男性、女性、子供にかかわらず誰にでも起きる病気ですが、過去には生理時にタンポンを長期間入れっぱなしにしていて感染したケースが多く報告されました。同じように鼻の奥の鼻血を止めるためガーゼなどを挿入し、それを入れっぱなしにしたことで感染することもあります。残りはやけどや切り傷、虫刺され、外科手術後の局所感染によるものです」

 ちなみに、TSSの原因となる毒素から身を守るための抗体は年齢とともに増えていく。そのため、TSSのリスクは若い人ほど高いといわれている。

「靴ずれからTSSを発症する例はマレですが、国内外で報告されています。たとえば新しいサッカーシューズに替えた時に水疱を伴う靴ずれが生じ、TSSを発症した男児2例が海外で報告されています」

3 / 4 ページ

関連記事